こんにちは、バリスタ白井です。
今日は最近読んだ本のご紹介をします。
「なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか? 高井尚之」
今までコメダ珈琲には1度しか行ったことがなく、しかもその時はレモンスカッシュを頼んだことしかない私ですが
なぜか心惹かれてAmazonでポチッとしてしまった1冊です。
が、しかし。これがまぁ面白い。
自分の凝り固まったコーヒーの価値観を柔らかくほぐしてくれました!
敷居はとにかく低く
飲食業界に限らず、どの業界でも事を成す時はコンセプトを決め
このコンセプトをどんな人に届けようとか
どんな人だったら一番響くか、伝わるかなど「ターゲット層」を決めると思います。
コメダ珈琲はターゲット層をあえて決めないといいます。
それは多くの方に利用して欲しいから。
なので、多くの年代に利用してもらうために色んな工夫をしています。
例えば、メニューはとにかくわかりやすく。
舌を噛みやすメニューは一つもありません。
サイズ展開だってシンプル!
スモール、レギュラー、ラージ、トール、グランデ、ミディアム・・・
そんな言い方はしません!舌噛んじゃうんで!!
コメダ珈琲はこうです!
ブレンドコーヒーか「たっぷり」ブレンドコーヒーか。
カフェオーレか「たっぷり」カフェオーレか。
わかりやすい!!!!!笑
そして「たっぷり」という言葉だけのなぜだかものすごくお得感がある!!
こんなメニューの工夫から、子どもからお年寄りまで一緒に楽しむことのできる店づくりをしているそうです。
差別化はしっかり!
でも、他店舗との差別化はしっかりしています。
本文の中で創業者である加藤太郎氏のインタビューの中でよく「差別化」や「他の店と同じことはしたくなかった」という言葉がよく出てきます。
それが一番表現されているのは
この奥に写ってるブーツ型のグラスです!
これは加藤氏が創業当時に食器屋さんに相談したら
「これがドリンク用のグラス、これがデザート用のグラスです」
と言われたそうです。
これじゃ差別化ができないな。と考えた加藤氏はいろんな食器メーカーや問屋を回ってこのブーツ型のグラスを探し出しました。
このグラスだけでなく、コメダの食器はとにかく独特なものが多い!
定番のコーヒーカップだって厚めで保温性の高い有田焼。
こだわりの店内雰囲気
コメダの店内ってなんか山小屋みたいですよね。
椅子も木製、床も木製、天井も木製。
なんか落ち着くよねー。と思った方
コメダの策にはまっちゃってます!
ま、私もですけどね!!!笑
こんなにも店内に気を使っているのには理由があるんです。
建築用語で「木視率」という言葉があります。
これは室内を見渡した時に木が見える割合を指します。
この木視率が40%以上を超えると安らぎ感が格段に高まると言われています。
コメダはこれをうまく利用しています。
勉強になるなー。
他にもソファの幅が今まで48cmだったものを近年日本人の体格が大きくなってきたということからこだわりの52cmにしたとか
隣の人の顔が見えないようにボックス席にして、仕切りをつけているとか
企業努力がすごい。
コメダの良さはカッコつけないこと
コメダは敷居を低くすることに力を入れてきました。
コメダの服装ってカッコよくないですよね。
でも、これもあえてです。
「店員がカッコイイ格好をしちゃうとお客様に勝っちゃうでしょ?
お客様が一番だから、勝っちゃダメなんですよ」
この言葉素敵だなー。あくまでも一番はお客様。
カジュアルな楽な格好で、気軽に来店して欲しいから
という想いがあっての服装だったんですね。
最後に
本文の中で私がいいなーと思ってマーカーを引いた文を紹介して終わります!
「価格に見合う価値を提供しなければならない」
「店は生き物。数値だけではわからないこともある。」
「コメダは喫茶業ですが、本質は貸し席屋」
最後の「貸し席屋」という創業者である加藤太郎氏の言葉に今のコメダ珈琲のくつろぎの良さが詰まっていると思いました。
大手チェーン店を避けていた自分がいたけど、
大手から学ぶことって多いよね。
とても勉強になった1冊でした。
ここに書ききれなかったこともたくさんあるので
興味ある人は是非一読を。
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