焙煎の話

新潟でコーヒーの焙煎士をしている白井渉です。

新潟駅前徒歩0分。毎週土曜日6-9時営業の『Days Coffee Roaster』というコーヒー豆屋を経営しています。

カスタマーの帰った後の空気感が好きです。さっきまでの楽しい会話やカスタマーの一人一人の顔がフラッシュバックしてきます。いい表情で帰って行ったかな。better than betterより良い対応は出来ていたかな。また来てくれるかな。そんなことを考えながら片付けをしています。

#カスタマーからの贈り物

#人の「気」みたいなものは存在すると思います

焙煎機

今日はちょっと焙煎の話をします。Days Coffee Roasterの焙煎機は直火式というタイプを使用しています。他には半熱風式、熱風式があります。どの焙煎機の中でドラムが回っています。ドラム式洗濯機のようなイメージです。くるくる回ってその中で豆が焼かれます。直火式はドラムに穴が開いていて下からくる火の熱がダイレクトに伝わるタイプ。半熱風式はドラムの側面には穴が開いていません。しかしドラムの後ろに穴が開いています。下からの火の熱と後ろからくる火の熱風で焼き上げます。熱風式は熱源が離れたところにあり、全く火の熱が直接影響することはありません。高温のドライヤーで焼くイメージに近いです。どの焙煎機も長所と短所があり自分の目指す味わいから焙煎機も選んだ方がよくなります。

クリーンネス&スウィートネス

透明性と甘み。Days Coffee Roasterの目指す味わいはこの2つがポイントとなります。クリーンネスを感じてもらうためには焙煎の過程の中で豆本来の濁りを取り除くのはもちろんですが、濁りを付けないことも必要です。後者の濁りの一つの要素は「苦味」です。いわゆる焦げと言われますが、焦げと表現するにはあまりにも説明不足な感じもします。苦味成分は元々豆本来が持っているものもありますが大半が焙煎の過程で生まれます。Aという成分が熱を加えることでBという成分になって苦味が生まれる。

結果の前に結果が決まっている

ちょっと難しい話をします。さら~っと流してもらって結構です。笑

豆は本来ポリフェノールの1種「クロロゲン酸」を持っています。弱い渋み、苦味があります。これは加熱することで「クロロゲン酸ラクトン類」に変わります。クロロゲン酸ラクトン類は強い苦味を持ちます。本来持つクロロゲン酸が違う物質になることで苦くなる。それを一般的には焦げと言いますが、苦味成分はこの他にもいっぱいあります。

こっからが本題!

クロロゲン酸は焙煎の前半で分解することが出来るということ。むしろ後半ではクロロゲン酸を分解できません。前半部分でクロロゲン酸を分解できなければ渋みのある濁った味わいになってしまう。さらに!前述したようにクロロゲン酸は強い苦味成分に変わってしまいます。豆の色が黒くなったから苦いというわけではなく、豆の色が変わる前の焙煎の前半の過程ですでに苦くなる結果が決まっているんです。前半でいかにクロロゲン酸を分解するかがよりクリーンな味わいを生み出すことに繋がります。今の結果は今決まるのではなく、すでに決まっているよ!ってことです。恐ろしい!今を変えるためにはもっと前から変える必要があった。これから先を変えていくならば今から変えていかないといけないよ!ってことですね。

#焙煎を人生観に結びつける男

Days Coffee Roasterの営業が始まって5回目の営業が終わり、1か月間営業したことになります。毎週来てくださる方もおられ、感謝しかありません。本当にありがとうございます。1か月営業しましたが、本当にあっという間でした。その中でも毎週メニュー、豆のラインナップを増やしカスタマーに喜んでもらえるように調整しています。これからも多くの方に喜んでもらえるように日々レベルアップしていきますのでその過程も楽しんでいただけたら嬉しいですっ!

では、また!

@dayscoffeeroaster

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